旅は2日目の今日、熊野三山を回ります。この旅行のほとんどの行程は、この2日目に集中しています。
ルート
この日のルートは、川湯温泉→湯の峰温泉に立ち寄り→本宮大社→新宮市内の浮島→昼食のめはり寿司→速玉大社→那智大社です。
「平家物語」による、平維盛が辿ったルートとほとんど同じです。最後、現在の那智駅近くの浜ノ宮王子から、平維盛は入水自殺をしてしまいますが。ただ、実は源氏の追手から逃れるためにそのような噂が流れただけであって、実際は山中に逃れていた・・・というのが、伝説の基本ではあります。
宿泊は、その浜ノ宮王子からやや南、那智勝浦温泉の「一の滝」です。
朝の川湯温泉。ここは天国か?
旅館を出て、贅沢な川底からの湧出露天風呂を満喫しに行きます。昨日も入りましたが、やや暗くなっていたので、もう一度ということで。
仙人風呂として、きちんと区画された場所もあります。入る場所によって、全く湯加減が違うのが当たり前ですが面白い。
見事に足元からポコポコとお湯が出ています。あぁ、贅沢。
仙人風呂の営業時間です。夜中は少し怖いかもしれませんね。青い川面から湯気が上がっているのがなんとも素晴らしい。
10時過ぎまで温まり、ゆっくりとした出発になりました。まあ、このお風呂に入ったら仕方ありません。
入浴はしませんが、湯の峰温泉に立ち寄り。
湯の峰温泉は日本最古の温泉としてその名が知られています。多分、今回宿泊した川湯温泉よりも、本宮最寄りの温泉地としては有名かもしれません。
道路沿いに、つぼ湯が見えてきます。このつぼ湯も、熊野古道の参詣道の一部として、世界遺産に登録されているものです。
この「あづまや」さんという旅館は、どこかで聞いたことがあります。きっと歴史がある旅館なのでしょう。次回泊まってみたいと思います。
公衆浴場もあり。入りたいけれど、我慢しました。
温泉を持ち帰れるようです。
それにしても良い雰囲気。
温泉卵を作っている人もいました。美味そうです。
紀伊半島の、特に熊野三山周辺の狭い範囲でも魅力的な温泉がたくさんあります。今回は川湯、那智勝浦の2泊ですが、この湯の峰温泉も良さそう。次回は3泊にしてここも入れようかな?
さあ、いよいよ熊野本宮大社へ。
昔は熊野古道をたどり、やっとたどり着いた熊野本宮大社。ここから熊野速玉大社、熊野那智大社とお参りしていくルートが、中辺路というルートです。
現在は車で行けば大きな問題はありませんが、この鳥居の前に、千葉からはるばる来たな・・・という感動はありました。
本殿へと続く石段。整然と並ぶ幟と杉も見事です。
158段登り、本殿へと到着です。
風格のある佇まいです。
特に信心深いほうではありませんが、自然とシャキっとしてくるのが不思議なところ。
ここは、明治22年の洪水で移転されたものなのだそうです。以前の本宮大社の跡地に進んでいきます。
明治22年以前の本宮大社があったところ。大斎原(おおゆのはら)。
少し歩いてやってきました。ここが本宮大社があったところ。大斎原(おおゆのはら)です。熊野川、岩田川、音無川の合流地点の中州にあり、明治22年の洪水の際に大きな被害があったとのこと。それ以降、先ほどの山に移ったそうです。
今は大きな鳥居が。とてつもない存在感です。
境内に入っていきます。
ここに大きな社殿があったのかな・・・などと、想像してみます。
見学後、駐車場付近で和歌山名物の梅干しや、はちみつなどお土産を購入。世界遺産になったこともあり、観光センターなど充実していました。
次は新宮へ!速玉大社の前に浮島の森で、ユニークな植物群落を観光。
本宮を出て、熊野川沿いの国道を下っていきます。ここも景色が綺麗です。
昔は船で下ったのでしょうね。いやぁ、見事です。
そして新宮に到着しました。もちろん新宮は熊野速玉大社が有名なのですが、その前に浮島というところに立ち寄ります。
正式には、「新宮蘭沢(いのさわ)-浮島植物群落」と呼び、泥炭でできた面積約5,000㎡の島全体が沼の上に浮かび、寒暖両性の植物の混成群落があります。(ホームページより)
泥炭の上に成り立っており、島となっています。市中心部の住宅地の中にあるのも面白い。
桟橋を渡って上陸です!
中はこのように、ジャングルのような雰囲気。面白いですね。おそらく、この辺りの豊富な降水量と温暖な気候がそうさせているのでしょう。
やはり暖地性の植物が豊富なように感じました。
市内でハイキング気分が味わえる、素晴らしい場所でした!
熊野速玉大社へお参り。
新宮市のシンボルとなっている、熊野速玉大社ですが、新宮という名の通り、ほかから移してきたものと考えられています。
旧宮とされているのは速玉大社の摂社である神倉神社で、この神倉山には巨岩があり、そこに神様が降り立ったという説があるようです。
本宮とは違い、鮮やかな朱色が印象的です。ただ、建物の配置は本宮と同じ形式でした。
その後、名物のめはり寿司をいただきました。なんでも、大きいので食べるときに口と目も張ってしまうから、めはり寿司と名付けられたそうで・・・
確かにボリュームがあって嬉しい食事です。
行ってみたかった那智の滝!いよいよクライマックスです。
さあ、熊野三山詣でも最後の一社となりました。那智大社です。滝と塔の写真で、熊野古道のポスターなどにもよく使われている代表する景色。
ここも参道は石段を登っていきます。
子連れ旅行といいながら、我が家は基本、親である私たちの興味のままに行動しているので、あまり子供フレンドリーな所がないです(笑)
ベビーカーもこの旅行で車に積んでいたのですが、とうとう一度も使いませんでした。
ちなみに、子供が2人目まではベビーカーを街中では使用していましたが、3人目の時にベビーカーを廃棄しました。古くなっていたのと、むしろ余計な荷物が増えるためです。抱っこひもが便利なので、抱っこひもは何度か買い替えて良いものを使っています。
話が脱線しました。那智の大楠。樹齢850年とのことで、それは見事なもの。
ちなみに、ここは神仏分離令にともない一度は廃寺となった青岸渡寺もあります。今は復旧し、現在は西国三十三所の第一番の札所として知られています。また、ここも世界遺産の範囲内です。
さあ、この景色です。
那智の滝の周囲は、那智原始林が残され、熊野地方本来の植生が残されています。これは南方熊楠の運動に負うところが多く、様々な活動を通して保安林とされたために残ったものです。
飛瀧神社までの道。この石畳は熊野古道そのものなのかもしれません。
パワースポットとか言わなくても、充分力を感じます。立派に生きよう。
さあ、とても詰め込んだ一日でしたが、今日の宿は那智勝浦温泉。「海のホテル 一の滝」です。
ここも源泉かけ流しの大変良い温泉が楽しめる宿です。下のリンクから入ってみると、現在は素泊まりのみとなっているのかもしれません。ただ、那智勝浦も海の幸が豊富なところなので、素泊まりで街に食べにいくのも悪くないかも。
泉質は肌がすべすべになる、柔らかい温泉でした。露天風呂があればもっと有名になるのでしょうけれど、内湯のみでじっくり浸かるのも悪くないものです。
3日目はほぼ帰り道。2泊3日の旅行の2日目の夜ほど名残惜しいものはありません。
それではまた!